今回は新歓パンフレットは後輩に任せたつもりでいたが、寸前になって訊ねたら
「用意していません。年号が変だけど去年のを使い回せば良いかなと」と言う。
それなら去年のを手直しして刷ってくるよ、とパンフレット制作を引き受けたが
なんとパンフレットの印刷に適する厚手の色紙が無いではないか。
このような状況で今回のパンフレット制作は始まった。
厚手の紙一枚の表裏に印刷して二つ折りにし、4ページ立てにするのが通例だが
それに耐えうる厚手の紙がない。ならば薄手の紙を表紙に、中に白紙をはさんで
表紙別8ページ立てにすることにした。すると情報は中の白紙に充分入りきる。
この結果、表紙の色は印字が目立たない色も使えるようになった。どうせだから
鮮やかで綺麗な色を使いたい。真っ赤な色紙があったので、これを使う方向で。
しかし、表紙には表題くらい入れたい。ならば表紙のどこかに白紙を上貼りして
その白紙部に印字したらどうか。
概要は決まった。表紙の白紙題字部は小さく脇に寄せて表紙の赤を前面に出す。
題字を小さく片寄せで入れるのは抑制の美学だ。ど真中に入れるのは野暮ったい
と思う。そして白紙は接着ではなく、表紙に切込みを入れ挟み込むようにした。
(題字部拡大/題字部裏面)
糊による歪みの心配がないし、手作り感が出て親しみも湧く技法だ。
表紙(P1)、表紙裏(P2)、中表紙(P3)、裏表紙(P8)、裏表紙裏(P7)とデザイン面
を多く取り、情報をゆったりと入れた贅沢なデザインのパンフレットが出来上がった。