<ポスター文面>
過去の偉人達に勝る技を持っているとは言わない。
彼らに匹敵する力を持っているとは言わない。しかし
彼らと同様、表現する機会を与えられている。
先人達より素晴らしい物を作れるかは分らない。世
間に認められるような物ができるのかも分りはしない。
だがそんなことは構わない。実現するのは無理でも、
挑戦することはできるはずだ。
手段は何だって構わない。自分自身を表現しよう。
ここに自分がいるのだと、声高に宣言しよう。自分が
確かに生きていたのだと、歴史に刻印しよう。全力で
走る自分を、静かにたたずむ自分を、雨に濡れる自分
を、風に微笑む自分を、自分の光を、その闇を。自分
を何人も無視できないように、自分の存在を、できる
だけ多くの者達に知らしめよう。
人生はモチーフであると共に、最も描き甲斐のある
巨大なキャンバスだ。前に座っているだけでは何も始
まらない。筆を執ろう。色をのせよう。最初から完璧
を目指して臆病になる必要はない。大胆なタッチで、
自分の手で、描きたい物を描こう。明るい風景、重厚
な空間、反逆を、あるいは許容を。
どんな図案であれ、どんな色調であれ、その与えら
れたキャンバスに自分の手で自分の欲する物を描く。
そのとき、そこにプライドが生まれる。その誇りにし
ている自分を、今度は自分なりの方法で表現しよう。
そうする事によって、我々は理解しあう事ができる。
共感する喜びを、理解しあえる喜びを分かち合う事が
できる。
知れば知るほど世界はきれいだと思うから、判断を
くだす前にもっと知る努力をしよう。判断をくだした
後も、知らない事がある事を知っておこう。そして互
いにより深く理解し、許す事ができるようになるため
に、まずは自分を表現しよう。 Express Yourself.