執筆:2005年06月29日
白い手が
地獄から這い出してきたみたいで
白い手が
僕の喉を握り潰すみたいで
白い手が
それが僕の手に他ならないのだが
白い手首を
少女は傷つけ
僕は詩を書いた
白い手首に
少女は傷を残しておびえ
僕は何も残らぬ朝に絶望する
今度は間違わぬように
白い手で
終わりを望んでいたじゃないか
ある晩夢の中で
僕の白い手がそんなことを言ったのだった
死んでゆく事しかできない僕に
そしてそれが僕の手なのだ