執筆:2005年06月17日
遠い西の空を赤く染めることもなく
灰色に暮れなずむ曇天の夕のように──
贈る花も心も美しい時も
クロノスの子らはクロノスの顎へ──
繰り返し訪れるやがて暮れる夜明けに
もはや希望を持つことにすら疲れ果て
私の唯一の名は消失点への滑落者──
詩を書くことも、いわば嘔吐
何も語ることは無いと語ることは何物でも無い
そして
私の唯一の名はクロノスおよびデヴァウアー──
私と時は同一の対象を両側面から食い荒らす
この言葉に日常を埋めて
砂の城のように
波間に崩れていけたなら
私の時の名の記憶を喪失できたなら
高天を翔る西風のあわいに
この言葉を風のあわいに散華せしめられたなら
せめて最後の瞬間に煌めいて在るなら
波間に崩れ去ったなら
未来は長く続くだろう
そして私は
終わらない終焉を死に続ける死体もしくは木偶──