枯れてしまった花に
涙を注ぐのにも
すっかり疲れてしまい
つまりは私こそ枯れた花
それでも春は来ると
繰り言のように呟きつつ
私ではないと分かっていた
次の春に花開くのは
晩秋の雨に濡れ
灰色の熱のない体を
侘びしく屈めて死んだ
誰も知らぬ間に祈りも無いままに
何度死ねばいいのだろう
いつまで侘びしく雨に濡れ
涙も空々しいのであって
来ないと分かった春を待つ
そうする以外
祈りのしかたも知らないので
涙も空々しく
来ない春を待つ
枯れ枝の屈した様
祈りの如くうつむいて
涙も空々しい
春を待ちつづける
来ないと分かっていながら
春を待ちつづける
来ないと分かっていながら
春を、待ちつづける
来ないと、分かって、いながら