泡沫 一
私は、闇夜のカラス。ほら、ちょっと大きめの本を開いて。ページ数が右側と左側で同じくらいにする。それから本の背を持って、上下に揺すれば、はい、とりさんとりさん!
あーたのし。そんな訳で、私は闇夜のカラス。本を揺すって楽しい人は、みんな鳥族だ。たのしいでショ?楽しくない人は鳥族じゃないって事だ。じゃワケワカンナイ人は?つまり、普通だって事。だからって精神病院に入んなくってイイなんて思ったらおー間違いだ。大間違いじゃないぞ。おー間違いだ。あって七癖七草七日。七転び八起き?そりゃ変だ。七回転んだら七回しか起きれないに決まってる。起きる方が一回多い以上は、どこかで一回しか転ばないで二回起きる芸当をやってのけるしかないぞ。こりゃコマネズミにもちょっとできない。じゃ三泊四日と同じ仕組みだとしたら?いやいや、もとから立ってるのを『起きた』とは言わないぞ。だから七回転ぶ前に一回起きとくなんて事はできない。もっとも、マトモな奴ならその日の朝に一回起きてるから、大負けに負けてそれを一回めに数えてやらふか?否。それでもワラワは許しませぬ。世の中意外とマトモでない奴の方が、マトモ君より多かったりするものぢゃて。それに、そろそろ七転び云々に文句をつけるのは面倒になってきた。だからもうこの話はやめよう。決着をつけずに話を止めると言う事は、どこまでも話を引きずると言う事だ。だから、『ワラワは許しませぬ』
闇夜のカラスは岩のてっぺんで瞑想するのが日課だ。日課じゃ。ではなく、日課だ。灰色の岩のてっぺんにしゃがみ込んで、やたらでかい目であさっての方をジッと眺める。口だけヘンな具合に笑って。空には鉄製のカラスが舞っている。舞い落ちる羽がナイフのようだ。それで色々切り裂くから、実際ナイフだ。いや、鎌かも知れない。それともタロットカードだったかな?
フクロウは森の中と決まっている。大概は樹の枝にとまってんだが、どうも後ろの枝と決まってるみたいだ。樹の後ろじゃない。アンタの後ろさ。そんで、大概は鳴かないで、ジッと見てるだけだ。森のなかってのもケッコウ愉快なもんさね。ボレロのハープにあわせて泉からチョウチョが生れてさ、そのたんびに波紋が拡がるわけだ。で、コウモリが目を赤と黄色にちかちか点滅させながら飛んでく。くちだけニタニタしながらね。ほえほえっていった方が正しいか。ニタニタ、ほえほえ、ニタニタ、ほえほえ、どっちでも良いけど、どうも二回ずつがイイみたいだ。いろんな回数を試してみようか?ニタニタニタ、ほえ、ニタニタニタニタ、ほえ、ニタ、ほえほえほえ。なんか、これも楽しいみたいだ。今度話す時やってごらん。『いや、誘ってくれたのは大変有難いのだが、何せイロイロイロと忙しい身でね。行きたいのはヤマなんだが。ナカナカナカナカナカ都合があわなくて残念だ。しかしこの仕事が済めばオイ暇になってくるだろうから、また何かあったら誘ってくれよ』
お?なんかわくわくしてくるぞ?いや、ワクワクワクしてくるぞ?新鮮じゃないか。特に奇数回繰り返すのが良いみたいだ。
疲れた。カラスは寝る。オヤスミ。
夢まぼろし 一
夢の中だと、闇夜のカラスはいつもニンゲンになる。ほら、あの真っ黒で羽のはえてる奴。ん?それはカラスの方だったかな?ま、どっちでも大差ない。
ニンゲンは変に四角い洞窟の中と決まっている。上の方から照らされてるんだけど、これが真夏の太陽みたいに熱いんだ。その下に、他にもニンゲンが沢山いる。みんな何か話し掛けてくる。何を言ってるのか、その意味は分るんだけど、何が楽しくいてそんな事言ってるのかが分らない。分かんないけど黙ってちゃ悪いから何か言うと、どうも今度は相手にそれがわかんない。
わかんない。わかんない。わかんない?わかんない。へーんなの。
泡沫 二
それでだ、コマネズミと言うのはまん丸の大きな黄色い目で、やたらとあたりを気にしながら駆け回る。これがまた、やたらと敏捷だ。キョロキョロ、うろちょろ、まったく落ち着かない事このうえない。
ところが、おんなじ毛むくじゃら、黄色い目玉キョロキョロでも、ヒナタモグラはちと違う。何より、動きがゆったりしている。それで無口だ。本来暗い所にいるはずのモグラが日なたにいるんだから当たり前だ。光がうっとうしいから、背中を丸めてのっそりうごく。やたらと大義そうに動く。それで顔を覗き込んでみると、年中眉間のしわが消えない。それでこっちをやたらじっと見る。ま、こういう手合いも時々いるもんですよ。驚く事はありません。
で、きょうはそのヒナタモグラと散歩中なわけだ。
「やあ、どうも今日はいい天気のようだ」
「・・・ああ・・・・・」
「雲ひとつない五月晴れとはこの事だね」
「・・・ああ・・・・・」
「ああ、やっぱり君もそう思うかい」
「・・・・・ああぁ・・・・・」
「うんうん、まったく心が浮き立つようだねえ」
ま、こんな事もあるさね。やや?あそこにいるのはキャシオーさんらしいぞ。どうやら今日もしっかりお化粧して、御婦人方に愛想ふりふり、フリルのスカートも軽くなろうってもんだ。おや、モグラのやつ、未だにむこうに気づいていないな。地面とにらめっこしてばっかりいるから知人にも気づかないし、目にも雑菌が繁殖して黄色くなるんだ。よし、ここはひとつモグラ貴の目を虫干しさせてやろう。おい、あそこにいるのはキャシオーさんじゃあないか?おい、聞いてるのか?前を見ろよ。おい、そら!(モグラの首根っこをつかんで、前を通りこして真上を向かせる。太陽をまともに見たモグラ、驚いて瞳孔をひらき、あまりの眩しさに声もなくもがく)ははあ、どうも、急に見るには眩しすぎたみたいだな。ま、本人は迷惑がっているが、口に苦きは良薬なりってわけだ。や、キャシオーさん、こっちに気づいたな。
「やあ諸君、散歩かい?」
「そんなとこさね。今日はいい天気だから」
「まったくその通りだ」
「お日さまに乾杯!てなことで、一杯やりませんか?」
「いや、私は遠慮しておくよ。果実酒一杯でもだめなたちでね」
「まあ、そうつれない事言わなくてもイイじゃぁないですか」
「ん〜、まあ・・・いや、しかし盃も酒もないじゃないか」
「そんならこいつを盃にしよう」(嫌がるモグラをひっつかまえる)
「おいおい、何を言うんだい相棒を。だいいち盃になる形じゃないだろう」
「やや、こいつは盃の用にもならないのか。そんなら一つ闇夜のカラスが・・・(ちょっと毛づくろいすると、おもむろに腕で胸の前に丸を作る。そのまま盃になりはじめる)ほらほら、できてきたできてきた」
「こりゃあたまげた。正真正銘盃だ。だけど、今度は一杯やるべき『君』がなくなっちゃったじゃないか」
「や、闇夜のカラスとした事が。(もとに戻ってぶるぶるっと震える)どれ、そんなら羽を(ブチブチッ)こうして吹けば、(プウッ)ほらほらほら、カラスがカラスがカラスがみっみっみっつつつできたできたできた」
「みんな一緒に喋ればまだ分りやすいが、変にタイミングをずらすから訳が分らない。しかし見事だ。やあ、モグラ君、君の相棒は実に多才で、いや、私なんかどうにも及ばないようだ。しかしカラス君たち、君らは誰が盃になって、誰が飲むんだい?」
「俺が俺が俺が飲むから飲むから飲むからお前がいや俺がだからお前達が盃になるのはお前の役目は平等なんてくそ喰らうのはお前の役割は盃なんて真っ平ゴメンよお前に飲み役を譲る気が狂ったのか!」
「おい、大変だよモグラ君、君の相棒が一人で喧嘩し始めた!いや、この場合は三羽というべきなんだろうかねえ、ねえモグラ君、こりゃあ止めた方が良さそうだ。おい止めたまえ、喧嘩は止しなさい。(からす三羽、黒い固まりと化して争っている)ああ、止めようとしないよ、君も手伝ってくれ、おいモグラ君、君の相棒じゃあないか。なあ、聞いてるのかい?おい、おい、なあ・・・」
そうしたらモグラ君、いきなりきっと顔を上げて、血走った目であたりをひと睨み。それから、怒った怒った!
「うるさい!だまれキャシオー!(キャシオーをぶん殴る)何が一杯だ!そうやってお前はドジふんで、イアーゴーに殺されたんだろうが!(足を踏みならす)なんでこんな所うろついて馬鹿面さらしてる!(歯ぎしり)さっさと消えろよ消えちまえよ、消えろっつってんだよ、このぼけナス!さっさと消えろ!(蹴り飛ばす)死ね!失せろ!(足蹴)汚らしい面を見せるな、消し飛ばすぞ!バカ、アホ、この、この・・・ああ!だから消えろってんだよ、墓穴に帰れ!」
さあ顔面蒼白のキャシオー君、みるみるうちに顔色が白くなって、とうとう白骨になって崩れ落ちた。ところが、モグラは許しちゃくれない。
「キイィィィッ!そこじゃねえんだよ殺すぞオラ、どこまでもひとをナメくさりゃがって!テメエの死に場所はオセロー将軍の隣だろうがぁ!」
慌てたキャシオー君、走ろうとしたけどもがくばかりで、筋肉がないからうまく行かない。モグラに蹴り飛ばされて、始めてそれに気づいて、筋肉だけもとに戻って走って逃げて行った。いや、あの走り姿は、彼の多くのファッション中もっとも奇抜だったね。で、今日の教訓は『静かにしたい奴は静かにさせておけ』てなことだ。あ、まだモグラ君の平安をさまたげる奴がいた。
「んああああああぁぁぁ!テメらもぎゃあぎゃあ騒いでんじゃねってンだよこんチクショ!(黒い固まりを踏みにじる。固まりはぶにぶに潰れるが、放すと「ビヨーン」ともとのダンゴに戻ってしまう)あああ!(頭を掻きむしって裏声絶叫)ふざけやがってえぇぇ!」
モグラは喚きながら、ダンゴをけっとばして行ってしまった。あとの地面に羽が一枚。風に吹かれてカラスに変身。
「おやまあ、きれいになったもんだ。きれいになったら落ち着かないな」
カラスがゴロゴロその辺を転げると、抜けた羽がみんなカラスになった。フワフワの羽毛も小さいカラスになった。辺りはやたらとやかましくなった。
「これで落ち着いた。落ち着いたら眠くなった。カラスは寝る」
バタンキュー。カラスはダンゴになって寝てしまった。急に静かになった。
夢まぼろし 二
夢の中ってのも支離滅裂なもんだ。なんでいきなり腹が重い。
なんだか腹の中がドロドロになってるような具合で、変に熱をもってるような、汚れがついているような。
よたよた歩く。人間は飛ぶもんであって、歩くもんじゃないんだよ。ン?それはカラスか。そうだ。どうもカラスらしい。だから人間の私が歩くのはおかしい。やっぱりどこか支離滅裂な気もする。
夢の中ってのは、支離滅裂な上に意外と余裕がない。これは時と場合による事だが、自分がどれだけ支離滅裂でも気づかない事が、よくある。夢の中なら、別にそれでも構わない。多少の支離滅裂な事をやって問題が起きても、夢の中なら大した問題に発展せずに済む。夢の中で勝手に殺されちまったとしても、夢が終わるだけで大して問題はない。
そんな訳だから、相手が何か喋ってるようだが、黙ってても問題ないだろう。そう思ってたら頭をたたかれたらしい。
夢の中のもうひとつの特徴は、自分も相手も大いに支離滅裂な事だ。だから自分が道理にかなってるのか、それとも相手が正しいのか、どんなに考えたところで怪しいものだ。
一番多いのは、どっちも支離滅裂な事だろう。
つまり、ワカンナイワカンナイ。
泡沫 三
ダンゴから足が生えた。頭も生えて、カラスになった。
「あぁ、よく寝た。しかしここはどこかな?」
カラスはあまり寝相の良い方じゃないが、ダンゴになってると引っかかりが無いからいくらでも転がる。転がりに転がって、どうも今日は穴に落っこちたみたいだなあ。うん?どうもこの壁の平らかさは、うん。やっぱり掘鑿機の掘った穴に違いない。どうも洞窟の形がまん丸で、やたらとでかい訳だ。
掘鑿機君ほどでかい穴を、きれいに、効率良く、かつ憂鬱に掘る奴はちょっといない。や、あっちの方で掘鑿機君の掘鑿音が聞こえるようだ。行ってみよう。
いってみると、ははあ、いましたいました。掘ってる真っ最中って訳だ。お?ちょうど山をぶっこ抜いて日の光が見え始めたぞ。外側に回って、顔を出すのを待ち構えてやろう。それにしてもでかい。円筒形の体で、前の方を回転させて岩盤を削り抜いていく。通った後は崩れちゃいかんから、コンクリートで鋪装する。(別に誰が通る訳でもないんだが)今やってる事にやる気は全然ないんだが、一方あまりの憂鬱に止める気も起きないから、いつまでも地面を刳り貫いてあるいている。そらそら、外から見てみると、だいぶ全面の刃が見え始めているぞ。ゴロンゴロンいう度に岩盤が砂山みたいに崩れていく。だんだん刃の回転の中心が見えてきたぞ。で、その中心から(どさっと土砂が崩れる)ほら出てきなすった。砂煙りの中からヌッと御登場だ。いつもの事だがコイツ、この世のものとは思えないほど不景気な面をしているぞ。今日は朝日に照らされて、いつもより一段と凄まじい。こっちに気付いてないな。おい、掘鑿機、こっちを向け。ありゃりゃ。あの目はもう死んでるぞ。どう見たって生首の目だ。虚空を睨み付けたまんまで掘鑿機の中心に納まってる。刃の回転と一緒に顔までぐるぐる回ってる所が恐ろしいよなぁ。ありゃあ見てる方まで不幸になる面構えだ。おい、掘鑿機、こっちを向け、こっちを向けってのに。あんなところで回されてたんじゃ拷問機械だと思うんだが、それでも掘鑿をやめないんだよなあ。あれは自虐行為だ。こら、マゾ!こっちむけ!ああ、山を完全にぶっこぬいたらしいな。作業をとめたぞ。顔が逆さまになって止っちまったみたいだけど、まあこれで拷問も終わりか。や、うわ、拷問が終わったとたんに、今まで以上に不景気な面になりやがった!それではじめてこっちを振り向く訳だ。石化しちまいそうに不景気な面だ!おいマゾ!聞こえてるのか?マゾ、マゾヒスト!返事しろ!
「・・・・・何もない・・・・・」
ありゃあ。あれは完全にトリップしちまってるぞ。自分の世界に入っちまってる。なになに、何を呟いてるんだ?
「・・・何もない・・・なにもなかった・・・ああぁ・・・・・いくら掘っても何も得られない。・・・虚無だ。なんにもならない。・・・・・何もない。今までどこを掘っても何もなかった・・・・・これからどこを掘っても何もないんだろう・・・」
どさっと別な斜面が崩れて、別の掘鑿機が顔を出した。やはり止ったとたんに顔をゆがめる。「・・・また終わってしまった・・・何も見つからないうちに・・・・・またやる事がなくなってしまった・・・・・最悪な気分だ」
あっちの山からも掘鑿機が顔を出した。こっちの山からも顔を出した。
「だめだ・・・・・どんなに掘るのに集中しようとしても・・・・・」
「だめだ・・・・・なにも意味がない。なにも存在しない・・・・・」
「だめだ・・・」
「虚無が・・・」
「意味が無い・・・」
「何も見つからない・・・」
「無常だ・・・」
「みんな消えてしまった・・・」
「終わってしまった・・・」
「終わってしまう・・・」
「何もかも終わってしまう・・・・・・・・・・」
「それが・・・・・いちばん、いい。」
はあ、コイツらどうしようもないな。おまえら、ええ加減にその不景気な面をどうにかしたらどうなんだ。いつまでも山をぶち抜いて歩いてないで。
「掘鑿機は掘るためにある」
「我々は掘る」
「掘るしかない・・・」
「掘るしかない・・・」
「掘鑿機は掘るためにある・・・」
「我々は掘る・・・」
「掘るしかない・・・・・」
金色の朝日が山々を照らし出した。掘鑿機の横顔も照らし出した。顔のおうとつをハイコントラストに浮かび上がらせた。掘鑿機達は祈るようにうつむいていた。そこかしこに降り積もるように金色の朝日が満ちあふれ、掘鑿機の目もとは影に隠れた。祈りの言葉のように掘鑿機達は朝日の中で呟き続けた。金色の朝日の中で呟き続けた。光の中で呟き続けた。祈りのように。それはあたかも祈りのように。敬虔な祈りの言葉のように。しかし山々に響く事もなく。呟き続けていた。
呟き続けていた。
夢まぼろし 三
支離滅裂なのは夢の性。しかし、それでも文句をいいたい。なんでいきなり腹が重くて、脳みそが焦げ付いていて、筋がいたんでいて、肩も腰も痛くて・・・・・まあ、夢の中なんてそんなもんだろう。
みんな支離滅裂だ。ああ。掘鑿機が回っている。みんなよく回っているなあ。掘鑿機じゃないのかも知れない。なんたって支離滅裂なんだから。ああ、あそこをタロットカードが並んで歩いていく。上を舞ってるのは鉄のカラスだな。タロットカードは気付いてない。ふん?あすこにフクロウがいる。フクロウは後ろにいる。あいつの後ろだな。この場合は。それで実はコウモリの目をちかちかさせてるヤツとか、泉から生れたチョウチョとか、そんなんが一杯いるんだが、それこそよけて歩く方が難しいくらい充満してるんだが、誰も気付いちゃいないなあ。蛇がツルツル出てきて、途中から二またに分かれて、二匹が四匹、四匹が八匹、ちがう。九匹。十二、十九、三十八・・・数え切れないくらいに分かれて、小さくなって見えなくなっちまった。という事は、みえない蛇があつまって、急に見えるようになる事もあるって事かな?違うらしい。支離滅裂なんだから。信じちゃいかんな。で?なんだ、コイツは。硬い空気だ。触れるぞ、この空気は。さてはこの空気の板で私を監禁しようというのだな。支離滅裂は信用ならんからな。そうはいくかというのだ。
そうだ。私はカラスだぞ。分かった。私はカラスなんだ。こんな夢でひとをたぶらかそうったって、そうはいかない。私はカラスだ。カラスは空を飛ぶものであって、こんな所で座ってるものじゃないんだ。こんな空気の板、取り除けてくれる。ははあ。あいつら、私が逃げそうなんで慌ててるな。もう遅い。ここから飛んで逃げるんだ。それっ
ま、そんな事も、たまにはあるさネ。つまり、夢なんてワケワカンナイ。