※ここではシェイクスピアの作品のうち、新潮文庫に収録された作
品を中心に、同文庫の「解題」「解説」を参考に製作年代、当時の
出版事情と定本、製作の種本となった他の作品、および各作品の雰
囲気、テーマ、込められた思想などについてまとめる。
24. 『十二夜』『末よければ総てよし』『目には目を』
(1) 概観
四大悲劇が書かれた時期の喜劇作品だが、『十二夜』のマルヴォリオ、
『末よければ総てよし』のパートラム、『目には目を』のアンジェロなど、
ただ喜劇として笑うには後味の悪さが残る。
(2) 作劇年代
『十二夜』が1602年〜1606年頃、
『末よければ総てよし』が1602年〜1603年頃、
『目には目を』が1604年〜1606年頃。