※ここではシェイクスピアの作品のうち、新潮文庫に収録された作
品を中心に、同文庫の「解題」「解説」を参考に製作年代、当時の
出版事情と定本、製作の種本となった他の作品、および各作品の雰
囲気、テーマ、込められた思想などについてまとめる。
3. 『間違い続き』
(1) 概観
アンティフォラス兄弟とドローミオ兄弟、二組の双子の取り違え
に端を発する混乱がメインストーリーとなる。アンティフォラス兄
弟とその両親は生き別れになっていたが、偶然にもシラキューズの
町で母は修道院長になっており、兄はそこで妻をめとろうとしてお
り、そこに弟と父が別々に訪れる。兄弟の取り違えによる混乱が起
き、父は憎むべき敵国人として処刑されそうになるが、あわやのと
ころで家族が再会してすべての問題が丸く収まる。
多少作劇作法上の問題が見られる。習作時代の作品である。
(2) 作劇年代
1592年〜1593年。
(4) 種本となった作品
ローマ時代の喜劇『メナエクミ』を種本としているらしい。