<価値序論・補論1 〜ある誤解について〜>

制作日:2003年5月8日


 「科学は価値中立的に行われるものなので、価値について語るところから始
める必要はない」という主張は浅薄な主張である。「科学」とは「科学者」と
いう主体の行為によって構築されるものであり、この「科学者」が「科学」を
構築することに意味・価値を見出すからこそ科学は形成されるのである。「科
学」と「自然法則」を混同してはいけない。「自然法則は価値とは独立して、
価値以前に在るものだ」これなら私は目くじらを立てるつもりはない。(科学
哲学の人達は許してくれないだろうけれども)しかし科学については、それが
行為に依存するものである以上、その前提に価値についての論考が必要となる
のである。