別項で議会は議論の場として相応しいとは言えないと述べたが、更に議論を
進めて「議会」という存在の廃止も検討してみてはどうか。議会の役割は選挙
制に基づく民意の代表として国家の意思決定を行うことで、いわば民意を政治
に汲み入れる窓口といったところだろう。が、「議会(=議論の場)」という
名と実の乖離が見られるし、議員の居眠りなど無駄がありそうでもある。なら
ば、もっと合理的な民意汲み入れ手段の確立を目指してみるのも良いだろう。
今では議会制が発達した時代には無かった技術もある。議会制民主主義とい
うのも考案されたのはずいぶん古い時代のことで、近頃では些か精彩を欠いて
いる。古い制度が欠陥を露呈しつつあるのであって、そろそろポスト議会制民
主主義の政治制度を模索し始めたらどうか。政治制度は、まずそれを正当化す
る思想が存在しなければ成立し得ない。認識論や善悪概念からカオス理論まで
援用して、100年後の政治制度を支える哲学の創出を、そろそろ目指すべきで
はないか。